ittenが生まれたキッカケは、 妻と2人の子供たちと暮らすパパの「１つの行動」からでした。

2020年、世界中が「おうち時間」を見つめ直していた頃のことです。

静かな夕暮れ時の日曜日、家族と向き合う食卓で、ふと私のお箸の先が欠けていることに気づきました。

おうち時間が長くなっている中でしたので、
「ちょっと良いお箸にでもしてみようかな」とそのタイミングで家族分のお箸を新調したんです。

この何気ない選択が、私たちの食卓に「魔法をかけること」になるとは想像もしていませんでした。

最初の変化は、子供たちの目の輝きでした。

新しいお箸を手に取った瞬間、「わぁ、すごい！」という歓声があがったんです。

妻も「なんだか特別な気分。お箸ひとつでこんなに持ちやすさが違うのね。」と笑顔を見せ、
私自身も不思議なことに、そのお箸を使うことでいつもの夕食が格別な味わいに感じられたのです。

まるで「お気に入りの服」を買った時のようなワクワク感。

大げさに聞こえるかもしれませんが、
食事の時間以外も「早くあのお箸を使いたいな」と思わず考えてしまうぐらいだったんです。

その日からは、毎日の食事の時間が特別な時間に変わっていきました。

「あのお箸どこ？」

子供たちが率先して自分たちの箸を探し回るほど。
たった一膳の箸が、家族の大切な宝物になっていました。

ただ、この新たな発見はひとつの疑問も生みました。
なぜ、手の大きさも持ち方も違う私たちが、同じ長さの箸を使わなければならないんだろう？

その答えを求めて歴史を紐解くと、驚くべき事実に出会いました。

江戸時代から変わらないお箸の長さ。
大量生産という時代の波に飲み込まれ、失われていった「お箸へのこだわり」という文化。

確かに、お箸は「腕時計」や「ジュエリー」のように人に見せびらかすものではないかもしれません。

でも私たち日本人にとって、お箸は人生で最も多く触れる道具の一つ。
まさに「人生のパートナー」ではないでしょうか。

そんな想いから、「itten」は誕生しました。

一人ひとりの手に寄り添う、世界でたった一つのお箸を作りたい。
あなたの毎日の食事を、特別な時間に変えたい。

多くの人が「自分専用のお箸」を持つ世界。

あまりにも使いやすくて、思わず外食の時も持ち歩きたくなってしまうお箸。

そんな世界がつくれたらもしかしたら世の中から「割り箸」もなくせるかもしれません。
みんなで「地球の緑」を守れるかもしれません。

この物語はまだまだ始まったばかり。
でも確かな可能性を感じてます。

なぜなら、私たち家族がその魔法を体験したのですから。

あなたの手のために生まれた一膳が、
あなたの食卓に特別な輝きをもたらしますように。

itten 代表取締役　石渡祐児